勝手に奥出雲探求レポート

前へ
一覧へ
次へ

~奥出雲そば~【横田小そば復活の秘話】

~奥出雲そば~【横田小そば復活の秘話】

こんにちは!奥出雲ごこち事務局ち~やんです。
今回のレポートは、もうすぐ旬を迎える奥出雲のソバのレポートです。

皆さん!「横田小そば」ってご存知ですか?
奥出雲にある在来種のことで、絶滅寸前だったんですよ!
その「横田小そば」を絶滅から救った当時の担当者さんのお話をレポートします。


☆奥出雲のそば

出雲地方は古くから蕎麦処で知られていますが、そんな出雲の奥の奥出雲に貴重なソバがあります。
それが在来種の「横田小そば」です。奥出雲地方のソバは、この地で盛んに行われた「たたら製鉄」
歴史と関係が深いといわれています。
ソバは種まきから収穫までの期間が短いことから、飢饉(ききん)作物として、全国各地で栽培されてきました。
その中で、標高の高い山間部では、寒暖の差など自然からの影響を受け、自然淘汰によって小粒の品種がそれぞれの地に根付いたと考えられています。

奥出雲も標高が高い山間部で、斐伊川の源流部に位置しています。
この辺りの土壌には良質な砂鉄が含まれていたことから、古くから「たたら製鉄」が盛んに行われていました。明治時代には、国内の重要な鉄生産地帯でした。
この「たたら製鉄」に使われる砂鉄を採取するために、山肌を切り開き、渓流の水で鉄穴流し(かんなながし)といわれる方法で、砂鉄を採取していました。
そして、「たたら製鉄」で欠かせない木炭も、豊富な森林資源がある奥出雲地方では入手しやすかったようです。
このような、切り開かれた山肌や、木炭を作るために伐採された跡地などを焼畑して、古くからソバが作られてきたのです。


☆奥出雲のソバはなぜ美味しい

奥出雲のソバは、江戸時代には将軍家に献上されるほど珍重されていたようです。
特に、小八川地区で栽培されるソバが評判が高く、この地で作られたソバが毎年、献上品として送られていたようです。
奥出雲は標高が高く、ソバの栽培が盛んな横田地域は300~700mあります。また盆地状の地形のため、放射冷却現象などによって、昼夜の寒暖の差が大きくなります。
このことがソバの実を熟成させ、旨味や香りを引き上げる要因となっています。
奥出雲の風土は、食べるものを美味しく育て上げる環境を与えてくれているんですネ。
そんな美味しい奥出雲のソバは、各家庭で、お祭りや大切なお客さんが訪ねてきた時などに振舞われています。


☆横田小そば復活の秘話

さて、話は「横田小そば」に戻って・・・

「横田小そば」はいわゆる在来種です。
小粒でありながら、「香り、甘味、粘り」が強く美味しいソバとして、各家庭で少しづつ栽培されてきました。
ところが、昭和45年に国の政策でお米の生産調整が始まると、これまでお米を作ってきた水田では、お米が作れなくなりました。
そこで、代わりにソバなどの作物が作られるようになったのです。

「どうせ作るなら、沢山収穫できたほうがいい!」
これは、当然のこと・・・

残念なことに、在来種の「横田小そば」は小粒であるがために収穫量が極端に少ないんです。
そこで、町や農協では、収穫量の多い信濃系や常陸系を推奨しました。
このことが、「横田小そば」をどんどん少なくする要因となったのです。
収穫量の少ない「横田小そば」は、その栽培面積を減らすとともに、交配しやすいソバの特性から、交雑が進み在来種はだんだん姿を消していきました。

【写真は横田在来と他の品種を比較したもの】 

一方で、過疎化・高齢化が進む中で、町の資源である農地の荒廃が進みました。
これを防ぐために、町ではみんなで知恵を出し合ってなんとか防ごうと、農家、商工業者、婦人グループ、学識経験者、教育関係者などさまざまな分野の方々を集めたワークショップを1年間開いたそうです。
最初は「ワークショップなんて・・・」という人もいましけど、最終的には町長に提案をするまで真剣に取り組んで頂いたそうです。

そこで提案されたのが、ソバをテーマにした地域興しだったのです。
そして、「香り、甘味、粘り」があって美味しいソバが当地にあることを、皆さんが思い出しました。

「どうせするなら、ここにしかないご当地のソバで地域興しをしよう!」
この言葉で「横田小そば」の復活プロジェクトが始まったのです。

しかし、時既に遅し!

この時、残念ながら純粋な「横田小そば」は既に姿を消しつつあり、交配が進んだものしかありませんでした・・・

 

 

そんな中、吉報が届きます。

プー!プー!(内線電話)
「ハイ!農業振興課です。」

「島根県の農業技術センターに、ちょんぼし小ソバの種があ~とや!」

エー!本当ですか!!

県内で栽培されるソバの試験研究を目的に横田産の小ソバの種が保存されていることが判ったのです。

奇跡が起こりました!

早速、町の担当者がセンターに出向き、貴重な種を1kg譲り受けることができました。(ちゃんと正式な手続きをしたうえで)

 

ところが・・・

一年一作のソバのわずかな種を増やすことはとても大変だったのです。

最初の1年・2年は、台風と獣害に苦しめられ、全滅!
種を播いた量と同じだけの収穫・・・

「くそ~、自然相手では勝ち目がないかー・・・」

台風で倒れたソバを一本一本、手で収穫したり・・・
偶然、畑で出会ったイノシシを追い払ったり・・・
夏の大雨で畑の土が流されたり・・・

協力された皆さん、本当にご苦労さまでした(_ _)

それでも、地道に頑張り3年目にやっと30kg、次の年に300kg、そして翌年は800kgまでに増やすことに成功しました。
最初は、小さな袋に1kgだけ譲っていただいた「横田小そば」の種が800倍になったのです。

【ようやくできあった「横田小そば」の採種ほ場(奥出雲町農業公社)】


「これでようやく第1段階・・・」

次は、農家さんへの配布です。
そかし、ここも簡単では無かったようです・・・

なぜなら、町のあちこちに、信濃系や常陸系が沢山栽培されていたからです。
交配しやすい特性のあるソバは、当然、近くにある品種と混ざり合ってしまいます。

「これじゃー、継続した取り組みができん!」

農家さんの説得の始まり始まり・・・

一軒一軒お願いに歩いたり、人里離れた農地の所有者にお願いに行ったり。
足を運び、頭を下げお願いの日々だったそうです。

「小ソバ!ありゃ収穫量が少ないし、他のと比べて刈り取りまでの期間が長いケン・・・」

「いや~、そこを何とか・・・」

「そ~に、収穫した種の乾燥は、何処ですーだかい?」

こんなやり取りがつづきます。

「種はライスセンターで乾燥しますケン・・・」

この時、乾燥する機械は、中古で壊れた米の乾燥機1台だけ・・・
(ボイラーが壊れて火がつかない・・・)
とても自信を持って「乾燥を請け負います!」とは言えなかったそうです。

 

そんなとき、町内の大谷集落の11軒が協力を申し出てくれました。
集落上げて大量生産の品種から「横田小そば」への切り替えを決断してくれたのです。
(当時の担当課長さんのご努力です!)

「やったー!」の一言

【大谷集落で栽培される横田小そばと受粉を援けるミツバチ】

今では、町のソバ栽培面積約80haのうち一割を越す約9haまで、面積を増やしているそうです。
(これでも、まだまだ貴重ですネ!)

 

☆そばブーム到来

そんな努力が実を結び、「横田小そば」は、沢山のメディアに取り上げられ始めます。
そして、島根県が進めていた「出雲そば」プロジェクトにも後押しされ、奥出雲のソバが注目を浴び始めたのです。
これを期に、紅葉の時期に旬を迎えるソバをテーマとした「奥出雲そば街道 新そば祭り」がスタートしました。
国道314号線沿いの商工業グループや飲食店、地元の旅館が行う秋のイベントと協力し、蕎麦屋さん・ソバ打ちグループさんが年に一度、採れたての新そばのお披露目
をするんです。
11月上旬の2週間は「奥出雲そば街道 新そば祭り」として定着しから、今年で6年目となりました。
期間中は、全国からソバ好きが集り、沢山の方で賑わうんですよ。

☆復活した「横田小そば」

こうして、地域が一体となって取り組んだ「横田小そば」復活プロジェクトは、種の栽培から5年目にで消費者の口に届けることができようになったのです。
また、教育現場でも課外学習に取り入れられ、「横田小そば」を通じて、地域の歴史や昔からの食文化などの学習にも一躍を担うようになったのです。

しかし、まだまだ難問は山積していますが、ご当地ソバ「横田小そば」は復活をとげ、少しづつ前に進み始めたのでした。

         

【横田小そば100%の手打ちそば】   【横田小そばの種まきをする小学生】

 

 

☆~◇この秋!新そば祭りで食べるなら ◇~☆

今年の奥出雲そば街道 秋の新そば祭りに参加する店舗を紹介しちゃいます。
定番の割り子そばに各お店の「オリジナルのそば」が楽しみです。

☆店舗情報

●八川そば(やかわそば)
  島根県仁多郡奥出雲町八川
  JR木次線「八川駅」前
  TEL0854-52-1513
  定休日:火曜日(連休の場合は変更あります)
  山菜をトッピングした「ざいごそば」がおすすめ!

 

 
●あさひ亭(あさひてい)
  島根県仁多郡奥出雲町横田
  JR木次線「出雲横田駅」前
  TEL0854-52-1714
  定休日:月曜日
  定番「割り子そば」と「やまかけそば」がおすすめ!

 

 

●純そば一風庵(じゅんそばいっぷうあん)
  島根県仁多郡奥出雲町下横田
  国道314号線沿い横田蔵市前
  TEL0854-52-9870
  定休日:木曜日
  横田小そば100%「ののか」と地元豆腐屋さんの
  生湯葉を乗せた「湯葉そば」はおすすめ!
  期間限定メニュー「横田小そば三昧」

 

●山県そば(やまがたそば)
  島根県仁多郡奥出雲町大呂
  日刀保たたら前
  TEL0854-52-1149
  定休日:水曜日
  昔ながらの「鉢そば」と「そば定食」がおすすめ!
  期間限定メニュー「シシそば」

 


☆奥出雲そばを体験するなら

●山県そば(やまがたそば)
  島根県仁多郡奥出雲町大呂
  日刀保たたら前
  TEL0854-52-1149
  定休日:水曜日
  蕎麦道場(要予約)

 

 ●川西そば
  島根県仁多郡奥出雲町下横田
  横田だんだん市場付近
  TEL090-5372-5041(小池)
  営業日:毎月第2・4日曜日(7
月・8月はお休みします。)
  蕎麦道場(要予約)

  http://www.soba-k.com/satozukuri.html

 



奥出雲のそば粉のお取り寄せはこちら↓
http://www.okuizumogokochi.jp/shop/index.php?db=19953

前へ
一覧へ
次へ

コメント(3)

ニックネーム

6文字まで / 公開されます

メールアドレス

公開されません

メッセージ
顔マーク 顔マーク

好きな画像を1つお選びください。サイト上でご自身のマークとして表示されます

投稿キー
投稿キーを入力
上の数字と同じものを入力してください

奥出雲ごこち   2015-09-16 12:14:51

たかちゃん様 コメントありがとうございます。 今年の「新そば祭り」は10月31日から始まります。新そばもこの日からお店に登場するようです。11月15日まで、横田地区のそば店でそば祭り期間限定商品など提供されるようですよ。ぜひ楽しんでくださいね。

たかちゃん   2015-09-15 17:29:10

15年度の新蕎麦はいつからですか。毎年計画倒れでしたが、今年は行きます。いつからか教えてください。

アルフ   2014-02-02 08:37:28

TVで 横田こそば見ました。 丹波で小さなお蕎麦屋をやってますが、美味しい蕎麦粉を探してます。 一度、横田こそばを打ってみたいのですが、購入先教えて欲しいのですが。 今年の3月過ぎには、島根の蕎麦食べ歩き旅行に行こうとも思ってます。 メールで連絡くれるとありがたいです。